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風の日には飛ぼうとしてみる

桜も散って青葉が出てきたのでスキンも変更。またころころ変えるんだろうけど(笑)
最近更新が夜ばっかり。仕方ないか~。最近手に入れたDVDを早く見たいなあ。

      

最近読んだ本。今日読み終わったのが、やっと借りてきた「博士の愛した数式」
80分しか記憶がもたない博士と、その世話をする家政婦とその息子の話。
本屋大賞も受賞、映画化もされた有名な作品ですが、本当に面白かった。

小川さんの作品は他にも読んだ事ありますが、文章が優しく流麗な方です。
この話に何度となく登場する数学の文学的表現には舌を巻きます。
私は数学に苦手意識ないし、大学でも触れ続けてきたから嫌いじゃない部類
なんだろうけど、それでも数学がこんなに親しみやすいものだったなんて
…ってほんわかしてしまうのが、博士の人柄と教え上手の凄いところ。

それぞれが悲しい事情を持っているのに、それらを悲しく感じさせない暖かさ。
数学と野球が結び付けてくれる繋がりがいとおしく、言葉の1つ1つが重たい。
心のふれあいに涙がでそうになるお話。久々にいいもの読んだな。

そしてお次は先輩から薦められた「黒冷水」。これがまた凄かった。
内容は…女の私の口からはあんまり書けないけど(笑)若い高校生作家の
文書力には拍手。毒々しいくらいの個性なんだけど、世間で流行ってる
純文学に比べたら、私はこういうの案外好きかもな。禍々しいけど深いです。

最後は前にも紹介した、ジェンキンスさんの「告白」。実は前斜め読みしかして
なかったので、もっかい借りてきてしっかり読んだら、真剣に読んでしまった。
これは、絶対読んで下さいって言いたい作品。日本人として北朝鮮の実態を知って
おくべきです。そして、ジェンキンスさん自身の自伝として本当に読み応えあります。

読んでいてリアルに怖くもあり、本当にこれがノンフィクションだと信じられなくなる
場面が多々あります。でもこの国は実在するし、そこに生きている人もいるのです。
米軍を脱走し、北朝鮮に亡命しようとして、結果北朝鮮という監獄に囚われの身に
なったジェンキンス氏。巻末の言葉は、非常に説得力があり、私が大好きな一節です。

人生何が起こるかはわかりません。どんな人生にも喜びと悲しみがあり、
苦労や障害があるもの。それでも、自分の選んだ道を何にも阻まれずに
生きていけることは、幸せな人生なのだと、改めて心に刻まされます。
by you-lilly | 2006-04-20 23:56 | book/comic
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